屋久島で価値観が変わっていく感覚
大自然に触れ、「自然は誰に対しても平等」と実感しました。私は各社の代表と幹部の方たちと登山させていただいたのですが、社長の上にも、社長から5階層も下にあたる私の上にも同じように雨が降りました。屋久島の天候の移り変わりは激しく、雨が降り、雷が鳴り、地面はぬかるみ歩きにくく、かと思えば急に晴れ模様に早変わりします。
人や役職による区別なく、自然は平等に私たちを包んでいました。自然から受ける感情、例えば恵の雨をありがたく感じる気持ち、辛いときに太陽の光が一筋差し込んだときに感じる希望、それは社長であっても私であっても同じだったのです。
自然はみんなに平等!
人を役職や価値観などで区別せず、フラットに接したい思いが山登りをしながらこみ上げてきました。誰に対しても態度を変えない、そういう人になりたいな、と私は思えたのです。後輩や部下に対しても考えを一旦聞いてみよう、相手の考えをまず尊重しよう、そう思えるように変わりました。私はこれまで、これだからこう!と決める考え方が強くあったのですが、固まっていた価値観が柔軟になっていく感覚を覚えました。
一緒に太忠岳を登った上司と!
他企業の代表の皆さんと山崎社長が本気になって日本を良くしようとされている姿を、屋久島で拝見しました。その場に居られたことが、本当に光栄でした。素晴らしいリーダーの方々から声を掛けていただいたり、対等に接していただき、私は本当にラッキーでした。
一緒に太忠岳を登った上司と!
からもどり、すぐにとった行動
合宿から戻った頃、ちょうど内定者向けの“営業体験研修”を企画する必要がありました。毎年行う研修ですので、形や内容はほぼ確立されていましたが、その中でひとつだけ、私には変えたいと思う部分があったのです。
実際にお客様にお会いしにいく体験研修の前日、「わたくし!小林かおりは!お客様のお役立ちのため!」のように、大きな声で自分の殻を破り決意表明をするステップがあるのですが、私はそこを変えたいと思いました。もっと違うやり方があるのではないかと屋久島から帰ってきて思ったのです。
屋久島では登山をする前に、チームメンバーで“アウトカム”(望む未来)を作りました。私の中でそれが楽しかったことが強く残っていて。和やかながらも意思疎通がとれ共通目的がシェアできていました。全員が真剣にコミットして楽しく目的を作り上げた達成感。内定者にもこれができるのではないか!と思ったのです。
採用担当チームメンバーの賛同を得て、意を決して若狭専務にご相談へ行きました。「自分の殻を破ったり、コミットメントを自身や周りに表現するのに、声出しは効果的で決して悪いツールではないよ。」そうアドバイスをいただきました。
これまでの私なら『やはり声出しがこの場合だと、一番効果的なのかもしれない…』となっていたところです。しかしこの時は、若狭専務のアドバイスをヒントに、もう一度メンバーと熟考しようと思えたのです。より良い結果を導きたい、そのようなモチベーションになっていました。
「殻を破るってそもそも何だろう?」、「研修の目的はお客様との信頼関係を作ることだよね?」、「メンターであるプレ上司と内定者の関係を作るためでもあるね」と目的をクリアにする話し合いを重ねました。そして結論として、やはりアウトカム作りを取り入れたいと考えたのでした。
私達の考えを、若狭専務は受け止めてくださいました。「目的に対してしっかりとコミットができたか、内定者とプレ上司の想いの交換ができていることが重要だね、それを次の日に繋げてあげられるように」と。 「やってみて」と。
これまで自ら新しいアイデアを提案することに、私は躊躇する気持ちがありました。勇気のいることでしたが、若狭専務が私たちを信頼し背中を押してくださったことが本当に嬉しく、より良い結果をイメージし、その考えを伝えることのできた自分自身の変化に驚きました。