ヒーロー達の物語
HISTORY OF HEROES

どんどん人が離れていく企業からの脱出 “孤独”や“不安”を克服し、心穏やかに

株式会社ヴァリアント
現)和田食品株式会社

代表取締役社長 和田 雅英

自分が変わるべき!でもそう簡単には変われない

2009年、ワールドユーに兄の紹介で入りました。
兄から言われたことを“素直にやる”という習慣がついてましたから、「行ってみないか」と言われ、今までと同じように「はい、わかりました」と行くことにしました。
疑心もなく期待もなく…。

最初の方は何を言っているのかよくわからず、寝ていたり、文句を言ったりばかりしていましたね。

でも、学んでいくうちに、コミュニケーションというのは、一生涯うまくできないと思っていたんですが、スキルで学ぶことができるんだと気づいたんです。

一番衝撃的だったのは、コミュニケーションの方法にはひとそれぞれ無意識に使うパターンがあるという事でした。その一つとして例えば、意識の向き方でも外向が得意な人と内向が得意な人がいる。外向の人というのは、簡単にいうと、話したらすぐに返事を返すような人で、相手の言葉や表情などに敏感に反応する外側に意識が向く傾向の人です。私は外向が得意なんですね。
でも自分の内側に意識を向けるのが自然で、しっかり考えてから話す内向の人もいるんだ、と気づいたとき、驚いちゃったんです。

私は今まで、部下に話しているときに反応がないと、「この人は聞いてない、この人は私のことをきっと批判している、気に入らないんだな」と勝手に思い込んでいました。そして、聞いてないと思っているから、さらに弾丸トークでたたみかけていたのです。その人は考えているのに…。
それが分かってからは、自分が変わらなければと思い、内向が得意な人に対しては、返事が返ってくるまで待つように努めました。

また、学びの中で、私は感情で話すのではなく、すべて単語で話していたことが分かったんです。そのために、しゃべっている言葉が相手に伝わっていなかった。
自分としては伝えているつもりなんだけど、相手にしてみれば何を言っているのかよくわからないから、黙り込む。
すると、こっちは「何でわかんないんだ!」と感情的になり、怒ってしまう。相手はますますシャットダウン。こっちはさらにヒートアップ!ほんと悪循環でしたね。
そのことを知ってからは、相手に伝わるよう、言葉を選びながら話すように努力するようになりました。

でも、変わんなくちゃと思いつつも、そう簡単には変われないですよね。頭ではわかっているけれど、いざ、社員と話してうまくいかないと発火してしまう。
ワールドユーで学ぶ中で、その怒りの根本原因も分かりました。

原因が判明!でも社内は変わらず

2011年、内省内観を行う統合ワークと言う合宿研修に参加しました。自然に囲まれて人間本来の姿を映し出すというものです。そこで、生まれて初めて自分の人生と向き合い、振り返りました。

静かに自分の心と向き合いながら、一つ一つの物事を繋げて何でそうなったのかを考えるんです。

でも、恐いのか、したくないのか分からないんですけど、何も出てこないんです。
そうこうしているうちに、思わず、そこの部屋から逃げ出しちゃったんです。海に行って、「俺、何のためにここに来たんだろう?」って思ったりもしましたね。
でも、一生懸命に内観したら、出てきたのは“恐怖”や“不安”という言葉でした。
 
言われたことを素直に実行したり、すぐ怒ったりするのにはちゃんと理由があった。
常に心の中に「嫌われたらどうしよう」という“恐怖”や“不安”があったわけです。だから、どうしても相手に本音を言えなかったり、真剣に向き合えなかったりしたわけです。
怖いから相手を批判するしか方法がなかった…。

そこに気づいたとき、自分の“不安”としっかり向き合えるようになりました。不安がダメなわけではない。素直に感情をみとめられると、周りに向けて優しくできるようになりました。また、本音で言えたり、人に関心を持ったりすることができるようになりました。
自分自身も、相手の話をしっかり聞き、笑顔で話すように努力しました。

翌年にあった2回目の内省内観では、もっと深く自分と向き合っていこうと決意。すると、内観を進めるにつれて、なぜだか恐くて恐くて机の下に潜り込んで大泣きしました。「ビャー」と駄々っ子が泣いているように…。
一通り泣いた後、ふとその理由がわかりました。自分は“独りぼっち”なんだという思い込みをもっていた。淋しくて、固くて、縮こまってている臆病な小さな自分がずっといたわけです。
私は人との境界線が近く、傷つきやすいので、本当の自分を知られないようにしながら、わざと罵声を浴びせたりしていたんですね。

そこに気づけたことで「もっと自由でいいんだ」と思えることができた。
自分を解放することによって、「一人じゃないんだ、みんなとともに生きるんだ」ということが分かったとき、心が温かくなりました。
 
そのとき、もっと他人を大切にしようと誓いました。
それからは、人生観がものすごく豊かになりましたね。

こうして私は少しずつ変わっていったのですが、社内全体の雰囲気としては、まだまだいい感じではありませんでした。
今までが恐すぎただけに、私に対して何にも言えないという雰囲気がまだまだあって…。
これから店舗を拡大していくというときだったんですが、学びの成果があまり浸透せず、人材が減っていくという状況はそれほど変わらず悩みました。

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