ヒーロー達の物語
HISTORY OF HEROES

「三代目社長に倅を頼むと期待された」 その思いに感動し歩み続けた。 役職を越えて仲間として過ごせるチームへの道。

京橋白木株式会社

常務執行役員 萩原 利之

 

翌日、私は会社に辞表を提出したのですがその日の夕方だったでしょうか・・・その頃、体調があまり優れずに休みがちであった三代目社長が出社されました。

 

そうして私を会社の近所の居酒屋に連れて行き、私に対して大変期待している事を話してくれました。
その話の中で「来年入る倅を支えてやって欲しい」と言われ、私の中で何かが弾けた気がしました。

 

体調の悪い中、私に寄り添い包み込むように話してくれる三代目社長。
まだ若い息子たちを思う父親の気持ちが私の心に届いてきます。
男同士だから感じる何かがあります。役職を超えた思いです。

 

騒然とする居酒屋で拡がった静寂な空間の中、そこまで私に対して信頼し期待をしてくれるのなら、もう一度やり直してみようという気持ちに変わっていたのです。

 

 

「社長が私に期待して下さる気持ちが本当に良く分かりました。もう一度頑張ってみます」と私が伝えた時の社長の、そして父親の笑顔は今も決して忘れません。
私の人生の中でも一度出した辞表を戻したのはこの時が初めてでした。

 

その後、四代目社長が入社してきました。
私の念願であったIT革命を、先頭に立って行ってくれました。
2年後には弟である専務も入社しました。

 

暫くして三代目社長の突然の急逸があり、四代目社長の時代となりました。
社長となり舵を取り始めたころは、とてもがむしゃらだったと思います。
必死に業績を伸ばす事が、自分の役割のように懸命に走り続けていました。
そのかいもあり、飛び込みで開拓したお客様が好調で、怒涛の出店ラッシュがあり、それに合わせて業績も好調に伸びていきました。

 

2011年に社長が「もっと飲食店のことを知りたい」と言って飲食の会社を立ち上げることを話されました。
私も当社のターゲットである飲食店を内部から知ることで、もっと色々な角度からお客様へ貢献できるのではないかと、大きな期待を寄せていました。

 

同年に飲食のノウハウを生かして、と貿易会社の立ち上げもありました。
しかしふと気付くと、飲食事業に傾きすぎている社長の姿がありました。
度重なる海外出張があり、会社への出社の機会も減っていきました。

 

 

社員の間からも「社長は京橋白木の仕事には興味がなくなったんじゃないか」と言ったような声が出てくるようになりました。
たまに会社に来れば数字の事、話す事は運営している飲食・貿易の事ばかりで、何か少し会社がバラバラになっていくような気がしました。

 

どこか遠くに社長が行ってしまったような感じでした。
思いは伝わらないし伝えようともしてくれない。
なんの為に社員がここにいるのか?
業績の為だけなのか?私達がここに必要とされている、信頼されているという繋がりを感じる事は出来ませんでした。

 

 

自然とみんなの心が離れていきその結果として、共に働いてきた仲間も一人二人と会社を去っていきました。

 

私はお客様が大好きでした。
お客様は私を信頼して何百万もかかる店舗のオープン案件を任せて頂けたり、お客様がお付き合いのある新たなお客様をご紹介してくれるなど、人との繋がりで仕事をする喜びを感じていました。

 

新しく入社する仲間にも、去っていった仲間にも「会社の中に楽しさを探さないで、お客様との繋がりの中で仕事の楽しさ見つけるように。」と説いたものでした。
しかし、一度辞めると決意を固めた人には通じなかったです。

 

私もその頃に第一線から徐々に離れていき、マネージメントとしての仕事に傾きだした頃でした。
まだ、その頃の社内は完全に個人営業の寄せ集めで、とても一体感があり皆で同じ方向を向いているとは言えない状況でした。
営業所でも、専務が常駐していたのですが、個々それぞれに纏まらずに人が離れていく中で、専務が一人で抱え込み葛藤している状況だったと思います。

 

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