ヒーロー達の物語
HISTORY OF HEROES

自分と向き合うことで、 数々の試練を乗り越え、また新たな挑戦が始まる

和田食品株式会社
現)株式会社ヴァリアント

代表取締役社長 和田 博

学びの成果が徐々に表れる

ワールドユーで心の仕組みを学ぶ中で、まず「この会社にいたい」と心から思ってもらえるよう信頼関係を築くことが大切であることに気付きました。
そうして相手に寄り添っていき、徐々に結果を出せるようサポートしていけばいいのだと…。

以前も今も、社員を人として大切に思う気持ちは同じですが、それが本人達に伝わっていなかったんですね。当時は、それを伝えることが大事だとも思っていませんでした。社員の心の中を見ようとしていなかったわけです。

ただ、学びにおいて“わかった”と“できる”とは違います。
ゴルフも同じで学んだことについて、頭の中ではわかっていても、実践に移すことはなかなか難しいんですよね。

しかし、新入社員とのあるできごとがきっかけになり、自分も“できる”ようになりました。

ある時、新卒の社員をきつく叱ったことがあったんです。
彼は黙ってしまって、仕事もしばらくできなくなってしまいました。
でも、その時に思ったのです。
「あ、違う。確かに自分の言っていることは正しい。しかし、彼の心の中にあるものを受け止めず、叱るということは、彼の尊厳を傷つけている」と。

その時から、サポートしながら接するようにしたのですが、その中で、次第に彼の良さが見えてきたのです。
仕事は遅いし、間違いもする。でも、人に左右されずにコツコツ地道にやり続ける素晴しい能力がある、ということに気付きました。

そこで、彼のその良さを最大限活かせるような態勢にしたところ、彼ものびのびと仕事ができるようになり、うまく回っていくようになりました。
彼が本当に欲しかったのは、「ここにいていいんだ」という安心感や、「未熟な自分でも信頼されている、認めてもらっている」というチームメンバーとしての絆だったのですね。
現在、彼は、塩事業部のトップとして活躍しています。

それまで、生産性を重視するあまり“結果を出さない社員のプロセスに焦点を当てる”ということが分からなかったんですね。

そんなことがあって以降、社員一人ひとりと同じ目線の高さで寄り添って丁寧に関わるようにしました。それを続けることにより、ようやく社内の雰囲気もよくなり、徐々に定着率も向上していきました。

学びの成果もあって、優秀な幹部や社員が育ってきたことも、会社にとって大きかったと思います。
ここまでくるのに10年以上かかりましたけどね。

2017年、大切な幹部2人が本当に成長したなと思えたので、私はヴァリアントを弟に任せ、退任することを決めました。
彼らは、落ち込んでいる社員がいたら、私の代わりに世話をしてくれる頼もしい存在です。

ところが、そのうちの一人が退社を申し出るという問題が起こったのです。

より深い信頼関係に

新体制がスタートし、新社長の情熱とスピードについていけなくなり、現場で疲弊してしまったのです。

彼は新社長と自分との間に情熱のギャップがあるのではないかと思い悩み、「自分には能力がない。貢献できていない。居てもしょうがない」と考えるようになったそうです。そして、食欲もなくなり、眠れなくなり、心も体もズタズタな状態になっていました。

それを聞いたとき、私は、彼に対してひたすら謝りました。

「すまなかった。もっと早く気づいていれば、こんな大変な思いをさせなくてすんだのに」と。
経営者が一人の人間として、大切な社員にただ謝る。
そのことで、彼は自分が大切に思われていたことに気づき、再スタートを切る決心をしてくれました。

“謝る”という意味がやっとわかったのはここ1、2年です。
それまでは、たびたび「私は正しい」と頭に来てしまう自分がいました。

でも、気づいたんです。「自分が正しいか」ということではなく、目の前にいる人が辞めたくなってしまったり、悲しんだりしている原因が自分にあるということに対して、「申し訳なかった」と謝ることが大事であることを。

この一件以来、彼との信頼関係がより深まりました。

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